結婚はしない

結婚はしない。俺はずっと一人で生きていくつもりだ。

本当はパートナーが欲しい。俺を支援してくれる家政婦のような存在が欲しい。もちろん家政婦を雇うのが理想だがそんな金は無いし、稼げるほどの要領もない。そりゃパルクールをやめて何かで稼ぐことに全力になれば(あるいはパルクールで稼ぐ、でもいいけど)なれるかもしれないけど、当然やめるだなんてありえない。となればあとは妻という凡人でも入手可能な家政婦下位互換(性能は妻によるだろうが)に頼るしかない。

が、妻は言うまでもなく家政婦ではない。夫を支える手段ではないのだ。パートナーとはお互いに愛を持って支え合うものだ。ゆえに妻という存在に支援機能としての役割を期待するのは間違っているし、そんな役割を引き受ける物好きなどそうはいない。プロスポーツ選手でもあれば話は別だが、2017/09/24 現在、そもそもパルクール界隈にそれほど稼げる者はいないだろう。いや海外ならいるかもしれないが、そもそも俺にはプロになれるほどの要領がない。何よりもフリップが嫌いだし怖いからな。回らずにプロとして在ること、そして稼ぐことなど、現在では不可能であろう?

そもそも俺は一人でも困っていない。ただ 家政婦がいたらもっと日常が楽になるというだけの話だ。お金だって有るに越したことはないだろう?それと同じだ。……これは言い換えると、家政婦には俺がより楽できるよう働いてもらう必要があるということ。現状俺にはトレーサーとして数多の制約が課されているため、たとえば食事一つを取ってみてもこだわらなくてはならない。厄介なのは俺が半ば感覚的に処理していることだ。これをわかってもらうためにはどうすればいいのか、考えただけでも辟易する。食事一つでこれだ。夫婦となれば他にもわかってもらわねばならぬことは多数存在すると考えられる。到底耐えられるものではない。

だから結婚はしない。いや、割に合わないと言うべきか。最近結婚してるトレーサーが目につくようになってきたが、惑わされてはいけない。結婚はしない。自明だ。考えるまでもないのだ。今考えたばかりだ。だからもう考えなくていい。頭の片隅にさえも置かなくていい。